Diary
New Model – CROW – History
New Model “CROW”
当店のハットといえば、ハイクラウン&ハンドシェイプで生み出される、
ビーバーハット『HOOKER』、ラビットハット『JOHNNY』『CHEERS』のような
フロントがギュっとつままれ、大胆にえぐられたピンチ、フロントからバックにかけての高低差、トップがティアドロップ型のハットになります。
これは素材がフェルトであること、また当店が大事にしているクラシックな製法。この二つが揃わないと生み出す事が出来ません。
Crowと名付けられたNew Modelはそんなフェルトハットの雰囲気を持ち合わせたパナマハットになります。
構想から製作・完成まで長期を要したハット。
今回はそんなCROWが出来るまでのお話し。
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フロントがギュっとつままれ、大胆にえぐられたピンチ、フロントからバックにかけての高低差、トップのティアドロップ型のハットを作る上で
夏素材(パナマ・ストロー)は、フェルトのように融通が効かず、オープンクラウン後に、ハンドシェイプで形作る事が出来ないクセ者。
これは木型からだな。
すぐに木型の設計図とパリでお世話になっている、私の先生とも言えるお二人に相談。
木型はハットを作る上での心臓部。
当店では譲り受けた木型・ヴィンテージ・新品の木型を大事に大事に使用しております。
パリで製作する木型には思い入れも強く、全ての木型に名前をつけ、愛着を持って使用しております。
話がそれました。
今回は、上に書いたようなフェルトハットのような、フロントはギュッと細く、えぐられたピンチ、ハイクラウン、ティアドロップ、高低差と
難しい注文で、職人泣かせの依頼になり、本当に職人様にはご迷惑をお掛けしてしまった木型になります。
下記の写真は1stサンプルをベースに、修正のやり取りをしたものになります。
左上・・・ティアドロップが丸すぎるため、もっと鋭角に鋭く。
右上・・・ピンチのえぐりをもっと深く、下部まで追加。
左下・・・エラが張りすぎているため、形状を後ろにずらす。
右下・・・ピンチが左右の中心のため、後ろ側にずらす。
そして、修正を加え、出来上がった新木型。
極細で流れるようなシェイプのフロント。えぐりとられたピンチ。トップのティアドロップ。高低差。
完成と同時にパリへ赴き、お二人との会話の中で、これは”Crow”だね。そのままModel名に。
また木型が出来ても、それに伴う特大の素材が無いと意味が有りません。
通常ハットの素材は、長年の歴史・経験からか、高さ10cm、ブリム6cm位の範囲で汎用しやすい大きさがほとんど。
当社のハットは高さ12cm〜13cm、ブリム8cm〜9cm。
別注にて製作。
木型・・・約6ヶ月・・・PARIS
素材・・・約8ヶ月・・・ECUADOR
構想から8ヶ月、欧州と南米で作った道具・素材を、日本のTHE FAT HATTER atelierにて初型入れ。
この瞬間が一番ドキドキワクワク。
現状、THE FAT HATTERの商品は全て、SHOP内に併設されたatelierにて1個1個、手作業で製作しております。
型入れ完了後、糊入れ、乾燥。
KINGSLEY HOT STAMPERはプロダクトの美しさに惚れ込み使用しております。
機能は最新のStamperの方が上。ですが、当時のHAT MAKERはこんな風に使用していたのかなぁと想像するのが好きなもので。。。
CROW名入れ。
昨年のいつからか忘れましたが、THE FAT HATTERの商品にモデル名、Order Hatに刻印を入れるサービスを始めました。
すべりも思い入れありますので、今後、すべりの秘密を記事にしたいと思います。
パイピング(CB割)はSTAFF 仲真(ヨッシー)が上手。
ブリムが安定するように、パイピングの中にはワイヤーも搭載されております。実は。
リボンの付け方・作り方は作り手によって変わります。1個1個手作業で、糸とリボンのみでつけます。
オートフォーメーション可せず、生産性度外視の作り方です。
無駄も有り、効率も悪いやり方ですが、仕上がりが圧倒的に違う。
ハットの顔部分ですので、ここは妥協せず。今のままのやり方を貫きます。
ハット製作はほぼ手作業で完成します。
極端にはミシンを使わずに作ることも可能です。
Model Name – CROW
No – TFH043
Price – ¥38.000+TAX
Color – Natural . White
Reguler Size – 58cm / 60cm
Size Order – 56cm/57cm/59cm/61cmまで対応可(要日数相談)
4月1日 13時よりオンライン・店頭に予約受付開始致します。